なんと卵から、大好きな金ちゃんがあらわれました。
♡チルチルミチルは、金ちゃんに飛びつきました♡
「金ちゃん!大丈夫だったの!」「金ちゃん!会いたかった!」
金ちゃんは照れて真っ赤になりました。
「おう、オムレツにされちゃ たまんないからな!
竜宮城から 脱出した時に富士山見たくなってね、ジャパンに行ったわけよ。
その時、浦島太郎から弁当もらったから、みんなでモーニングしちゃおうぜ!」
おいしいワカメ入りのフカフカパンを食べながら、話しが弾みました。
「金ちゃん、大きくなったねぇ〜」
「金ちゃん、会えて良かったねぇ〜」
それから金ちゃんは重大な話しをはじめたのです。
ペカペカ
てけてけ
☆ペカペカ ペカリン♬
なんだか ワクワク! 予感がするよ♫
もはや卵は、すっかりいい調子になって 歌っていました。
おいしいオムレツを、口いっぱいに頬張った夢を見ていた
チルチルとミチルも 目を覚ましました。
嬉しくって胸いっぱいになった卵は、
自分のカラを やぶろうとしていました。
「なにかが 生まれるよ♡」
「青い鳥が 生まれるよ?♡」
「ただいま!おかあさん。 ただいま、だれか、いないの?」
チルチルミチルは、一生懸命よびましたが、お返事はありませんでした。
お母さんが、いつも絵を描いていた椅子には雪が積もっていて、
ティーカップを置いていた場所には不思議な卵がありました。
チルチルとミチルは家中をさがしましたが。
家の中はシ—ンと、静まり返っていました。
とても気持ちがソワソワとして、まるで冒険の旅に出たのがすまなかった様な気さえしました。
そして二人は、疲れ切って寝てしまいました。
オナカもペコペコでしたが、涙で目もあきませんでした。
『明日の朝になったら、あの卵でオムレツをこさえて食べよう。』
そんな風におもいながら、
チルチルもミチルも、ぐっすりと眠りの世界に落ちて行きました。
ところが、家の方と言えば大騒ぎでした!
待ちに待った チルチルミチルが帰って来たのです♡
「それで、青い鳥を連れて来たのかい?」壁が言いました。
「そんな事かまうものか!僕はチルチルミチルがいれば赤い鳥だっていらないさ!」天上が言いました。
そして、あの不思議な卵がペカペカと光を放ちながら、チルチルミチルに心地よいような唄を歌い出しました。
♫ いるって、なんて ステキなんだろう ♬
♪僕は幸せ♡ あったかくて♡踊りたい気分 ♬
「朝になったら、オムレツにされちゃうのにね!」壁や天上は笑いましたが、卵はかまわず歌いました。
チルチルとミチルは、光の塔の中を超高速で上昇していました。
あまりに速かったので、まるで止まっているような感じがしました。
なにか、とてつもなく巨きなものに包み込まれている様な感じがして、二人は自分がいるのか いないのかも、わからないような気がしました。
正確に言うなら、こんなに『いいかんじ』なら、どうでも良いと思いました。
足下のうんと下の方から、まるで千の花がいっせいに咲きだした様に香しい香りが立ち上ってきました。
チルチルミチルはセロを弾く人を、突き抜けていきました。
♫「僕たち、音になったのかしら?」
「いい香りだと思ったのは、音楽だったんだね♡」
「香りと音楽と光は ひとつの物にかんじるね♪」
「まるで すべてが ひとつのようだ……」
チルチルとミチルが、こんな会話をしたとたん。
世界が急降下を始めました。
そして『そうだ、青い鳥をさがさなければ!』と、ふたりが思い出した時。
地面にフンワリと降ろされました。
「おうちだ。」
そう、青い鳥を求めて旅に出たベルギーの少年少女チルチルミチルは、故郷の家の前にたっていました。
なんだかよくわからないけれど、涙がたくさん溢れて来ました。
自分達がとても小さく、木々もおうちも
雪さえも、みんな自分と同じように
小さくてせつなくて、愛しいとかんじたのです。
なんだか
ふたりは、それが嬉しくってたまらないように思いました。
そうして、せいいっぱい 皆がニコニコと
「おかえり チルチルミチル」と、迎えてくれていたのです。
ムムリク・カンパニーでもあり、
いつも、絶大な協力をしてくれる仏師の友人。 三田秀一さんの作品が!
http://natalie.mu/gallery/show/news_id/15686/image_id/11610
いつもは、お寺さんへの奉納ですが、今回は、強力な〆切付き。
(実は、私も 立体製作の時、技術的にも時間的にも、困難な事をお願いしまくって。しまいには、
いつも実現して下さる方です。)
ちなみに、ムムリクとの共同制作の1つはこちら。
と、言うわけで。
感謝をこめて、三田さん ばんざ〜い!
明るくって、にぎやかになった月世界の中で、
そこだけは あまりに静かで、
かえって地面のうなり声が聞こえるような気がする程、
不思議に静かでした。
ドキドキするときは、まずは腹ごしらえです。
いたずら子猫の一休が、姫と皆のためにホットケーキをせっせと焼いてくれていました。
「あぁ おいしいなあぁ」バタとシロップの甘いお口をナプキンでふきながら二人は言いました。
チルチルとミチルは、月のショップにも寄ってみました。
欲しいものが たくさんあります。
特に二人用のロケットは、うんとカッコがいい♪と、思いました。
でも、自分達には 雲のウンちゃんがいるな…。
さて、スフインクスのところへ いきました。
「おばさん、青い鳥はどこなの?」
グングン 飛び出しました!
どんどん 進んでいきます。頭がクルクルして、ほっぺがふくらんだりしぼんだり。
フワフワして ゴンゴンして 色々なものが飛び去っていきます。
姫様は、いつお帰りになるのかしらん?
金星から、かえったSHIO姫は上機嫌でした。
金星では、バタとメープルシロップを たっぷりかけたホットケーキを
好きなだけ食べられたし、
そうそう、そろそろ みんなとも会いたくなっていたのです♡
「あなた達が、チルチルミチルね♪
いつも 冒険の旅を金星から見ていましたよ。」
だれかが、見守っていてくれたなんて……。
チルチルミチルは、なんだか胸の奥がホアホア・ホアンとしました。
「お姫様、光栄です。
私達、青い鳥をさがして 世界を飛び回っているのです。
ときどき、チラッと見る事ができるのですが、つかまりません。
いったいどうしたらよいのでしょうか?」
「そうね、スフインクスに聞いてみたら?」そう言ってから、
お姫様は、ゆっくりしていくように言ってくれました。
月では、お姫様のご帰還を祝って盛大なパーティの準備が進められています。
みんなが、ちょっと恥ずかしいような、浮き浮きするような、そんな感じでした。
チルチルミチルは、スフインクスの所にいってみようと思いました。
そうそう、皆と御馳走を、いただいてからネ♪
♡
金星に行ったSHIO姫は、ホットケーキが食べられてしまった事で、そうとう傷ついていました。が、
実際の所、月にスフインクスも楽しみでした♪
ちょうど、金星の叔母の所に 遊びに行きたいと 思ってもいたのです。
月世界人達も、いまは、スフインクスができたら どんなにすてきかしら?と思っていました。
なあに、実際のところ 今まで あんまり明るい世界にいたので
明るい事を わすれていたのです。
予言者の言葉のまま、8000年後の月に あらわれたチルチルミチル♪
そして、お姫様は……♡
月歴888年 三代続いた女帝王国の王女はSHIO姫♡
そりゃあ、楽しくって明るくって、食べる心配もない、素晴らしい星国でした。
ある日、いたずら子猫の一休が 姫のホットケーキを食べてしまうまでは……。
ホットケーキが大好きだったお姫様は、
ホットケーキを返さなければ、姿を消してしまい。
月の王国民が、スフインクスを作り上げるまで、出て来ない!と、宣言したのです。
一休は「まずいニャ〜!」と、感じましたが、
食べちゃっていました。(もっと 欲しいと思ったくらいです。)
ついでに言えば、おいしかったので食べちゃって良かった♪と、思いました。
SHIO姫は、怒って金星の叔母の所にいってしまい。
月面は まっくら! 月のウサギの耳は 消えて、ヘルメットをかぶされました。
怒った姫は、他の星から見える月に、働くウサギのシルエットを映しました。
食べ物のうらみは、こわいのです!
(もっとも、月の100年は地球で言う所の1ヶ月なのですけどね♪)
*
ところで、先程 話しを聞いていた、チルチルミチルの頭上に突然。
「こちら 月面花畑区役所です。」と、スピーカーからアネウンスが流されました。
「近くの国のミサイルが発射されました。」と、いう内容のものでした。
チルチルミチルは、とても イヤア〜な感じがしました。
生まれてから、こんな放送を聞くのは初めてだったのです。
なにか、静かな深い衝撃がありました。
色々な国や人の事を、思いました。
奇跡的に、自分の育った場所が、
戦争の現場になって来なかった期間にあたっている、幸運を思いました。
この幸運が続くように、と、おもいました。
月の人に、ウサギの耳がはえていました。
こんな 大きな耳をした人の話しは、聞いてみたくなるものです。
チルチルミチルは、月の物語を聞く事にしました。
月のスフインクス。
伝統的にくり返される、いたずら('◕ฺω◕ฺ`).
( ´・ω・`)_.毎年、この日。
チルチルミチルは、電話、FAX,Mailに 気をつけるのだ!
こ!今年こそ!
あ!(*´ω`)o 「か」が、ぬけていました!
BBCにも、注意!
みんなも、気をつけてね♪(*^_^*).
故郷の アカ兄さんに会えて、
チルチルもミチルもホッ♡として、優しい気持ちになりました。
だって、二人は 小さなからだで、青い鳥を見つける為に、うんと頑張ってきたのです。
うれしくって、うれしくって、心がホカホカしました♪
アカ兄さんみたいに、
いつも 青い鳥と一緒にいる人になりたい♡と、
心から 願いました。
月の人は、前に会った時よりも、なんだか ふんわりしていました。
8888年かかった工事って、なにかしら?
それに、故郷の友達アカに 会えたのには感激しました♡ ずいぶん 長く旅を続けていますもの。
チルチルとミチルは、それぞれが1人で でも一緒なのを 思い出しました。
一瞬、青い鳥が羽ばたいて行ったのを、見たような気がしました。 今が 不思議な気がしました。
月の人達も、皆 楽しそうです。
ずいぶんと、遠くにきたのだなぁ‥
ぼんやりと、思いました。
Dove è qui?
竜宮城からの、空間脱出をはかったチルチルミチル♡
ここは、どこなんだろう? ¿Dónde está aquí?
時間さえ 超えてしまったのか? 何語なら 通じるのかしら?
Wo ist es hier?ドイツ語?
여기는, 어디입니까?韓国語?
这里是什么地方?中国語?
Onde está aqui?カステ〜ラはいかが?
♡心語♡?
あれっ?
なんだか、楽しそうだよ♪
Where am I ?
私達は どこに いるの?
☆☆☆あ! 話しにもどろう!☆☆☆
金の龍が、助けにはいってくれて。竜宮城から脱出した二人。
「金ちゃんは、だいじょうぶだろうか?」
「そうだ!青い鳥を見つけたら。
きっと、金ちゃんにも見せよう!」心に誓うのでした。
『金ちゃんが、助かるなら青い鳥なんか いらない……。』
2人は、思うのでした。
♬ らりらり〜 ♪ ♬ ♫ ♪
そして、金の龍は マイ・カントリー♪竜宮城へと誘ったのだ。
竜宮城では、2日後の『ダボハゼ会議』の話題で 大賑わい。
各界の著名な 実力者達が、竜宮城に集まって 意見の交換をするのです。
そうだ!
どんなに 疲れても「心を曇らせてはいけない!」と、気がつきました。
わざわざ会いに来てくれた龍が、とても大きく見えました。
なんてうれしくて、なんてしあわせだったのでしょう♡
おなかが、いっぱいになったら。優しかった、お母さんのことを思い出しました。
そして、目がいつのまにか ふんわりと閉じられました。
今日は、そっと そっと
静かな 揺りかごに乗せられて、チルチルミチルは夢の国へと入って行きました。
チルチルミチルが、オナカがへって 途方に暮れていた時に、
旅のあいだに、海であった 山田旬カメラマンから速達が届きました。
人が飛んでいます!
あきらめなければ、夢はかなうんだ!!
「え? 東京都庁の前で 飛んでいるの?」
チルチルミチルは、勇気がムクムクとわいて来ました!
「ああ、あの人のまわりには 青い鳥が飛んでいるよ♪」
どうでしょう?
なに したら、幸せになれるだろう?
どうしたら、月の人にも 幸せを 届けられるかな?
この、ボッコは 自分の飴をやろうか?と、言ってくれているよ。
チルチルミチルは、オナカがへりました。
まずは、自分が力強くなりたい!と、思いました。
つづく
そうそう、何か 美味しいもの♪
力が出てくるものを 食べたいと 思いました。
美味しい物を 食べれば、月で働いている
あの人達にも、きっと 御馳走が届く様な気がしたのです。
でも、どうしましょう?
チルチルとミチルは 見た事も無い、おかしな食堂の前にいました♡
お花の妖精さんは、ちっとも 困っていない様でした。
オナカが減って、目がクルクルしましたがー
チルチルミチルは、なぜか とても幸せな 気がしました。
♡♡♡